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ことばの質問箱 R.O. 2019年12月号

Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 <32>

◆質問 「翌年」の言い方
 sekva jaro が「翌年」とのことですが、エス日辞書のsekvanta の用例中にla sekvantan jaron 「翌年に」があります。また別の辞書では「来年」の項にsekvantjare が訳語としてあり、日エス辞書の「翌年」には訳語としてla sekv(ant)ajaro が出ています。このあたり統一されていないのでしょうか?

●回答 いろいろな表現がありますが、この要因を2 つあげて検討します。また類語の「来年」との差についても述べます。
 (1) sekva とsekvanta について: もともとsekvi という動詞には、「すぐ後に続いて行く」という意味があり、派生語のsekvanta は時間的に「すぐ後に続いている」です。そこで、「翌年、翌月」などの「翌」相当の用法として、この形がザメンホフの時代から使われていました。後の時代に、単にsekva だけで「翌」を表す用法が出てきました。
 これを統計的に見てみます。多くのエスペラントの文章をデジタル化して提供しているTekstaro のサイト(https://tekstaro.com/) で調べると、sekvanta jaro ないしsekvantan jaron の17 例中、13 例が1933年までで、4 例が2000 年以降でした。一方 sekva jaro ないし sekvan jaron は39例ありますが、全て1970 年以後でした。jaro 以外の名詞との組み合わせでも、初期にはsekvanta、最近はsekva が優勢ということが分かります。
 (2) 時間を表す副詞的な用法:日本語で「翌年」と単に言ったときも、「翌年に」「翌年には」といった時間を表す副詞的な用法が主です。これはエスペラントでもあてはまり、en la sekvanta jaro ないしen la sekva jaro と前置詞en を使ったり、la sekvantan jaron やla sekvan jaron と対格を使って時間を表すのが主な用法です。
 しかし、こういう場合、エスペラントでは一語の副詞にしてしまうこともあり、sekvantjare やsekvajare となります(発音上sekvjare はあまり出てきません)。ただ、先ほどのTekstaro ではsekvantjare の実例は登録されていず、sekvajare は1997 年以後の例が14 件ありました。
 (3) まとめ:歴史的な変遷によるsekva、sekvanta、副詞的表現のための前置詞使用、対格使用、合成語の副詞、などの要因のため、いろいろな表現があります。
 (4) ついでに「来年」と「翌年」との区別:今の時点で、次に続く年が「来年」です。エスペラントでは、en tiu ĉi jaro に続くのは en la venonta jaro です。例えば今は2019 年ですので、En la venonta jaro2020 okazos olimpiaj ludoj en Tokio.( 来年2020 年は東京でオリンピックがある)となります。それに対して「翌年」はある年を起点としています。例えば、En lasekva jaro de Rugbea Mondpokalo okazas olimpiaj ludoj.(ラグビーのワールドカップの翌年にはオリンピックがある)。
(柴山純一)

【La Revuo Orienta誌 2019年12月号より】

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