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ことばの質問箱 R.O. 2019年3月号

Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 <22><23>

◆質問 人名の複数形
 人の名前(固有名詞)を複数形にした例を見かけましたが、どういう意味でしょうか。
●回答 人の名前ですが、家族で姓が共通なことがあります。その名前を聞くと思い浮かぶ著名人もいます。そして同名の人は多くいます。そこで次のような例が見られます。
 Zamenhof(ザメンホフ)は、姓ですが、多くの人はLazaro Ludoviko Zamenhof(以下LLZ)というエスペラント創始者を思い浮かべます。Galerio de Zamenhofoj(『ザメンホフ一家のギャラリー』)というのは、LLZ一家についての本です。ここでZamenhofojは「ザメンホフという名をもつ(一家の)人々」ということです。
 ある著作でModernaj Robinzonoj という標題のものがあります。人家のほとんどないシベリアの地を進む人たちを描いた作品ですが、この一人一人を孤島で暮らしたロビンソンクルーソー(Robinsono Kruso)になぞらえた標題です。なお、「ロビンソン」のエスペラント化の過程で、この著者はRobinzono という形をとりました。
 日本のエスペラント界でエスペラント文芸作品を多く残したMiyamoto Masao (宮本正男)、Ueyama Masao(上山政夫)という人がいましたが、その二人をla du Masaoj と称した人もいます。
 まとめると、「同じ名前をもった複数の人たちを合わせて言う時には複数形にする」です。その関係は、①家族、②著名人へのなぞらえ、③たまたま同名の人たち、などいろいろです。
 特に家族の場合、la Braŭnoj( ブラウン一家)のように冠詞のla を付けて限定することがあります。エスペラント化していない-o 無しの固有名詞の場合でも、Brown(ブラウン)を基にla Brown-oj (ブラウン一家)などと記します。この場合、個々の「ブラウン一家の人」はBraŭno ですが、braŭnano、複数ならbraŭnanoj というように-ano を使って明確にすることもあります。エスペラント化されていない場合は、Brown-ano のように大文字を保つのが普通でしょう。

◆質問 ekde の接続詞用法
 前置詞post にはpost kiamという接続詞用法があります。前置詞ekde には接続詞用法 ekde kiamはありますか。
 例えば前置詞としてMi amas vin ekde mia unua renkonto kun vi. (あなたとの初めての出会い以来あなたを好きです)に相当することを、接続詞としてMi amas vin ekde kiam mi renkontis vin unuafoje.( あなたに初めてお会いして以来あなたを好きです)と言えますか。
●回答 言えます。ただ、この場合、わざわざekde kiamと言わなくともMi amas vin de kiam mi renkontis vin unuafoje.で十分です。実は前置詞の場合もde だけで十分ですが、de は他にも「場所の始点」などのいろいろの用法があるので、「時間の始点」の場合、好んでekde が使われます。しかし、接続詞用法となると、場所ならde kie ですので、de kiamで時間のことと分かります。
(この回答にあたっては、阪直さんのネット版作文教室n-ro 122: http://plaza.harmonix.ne.jp/~sakat/13sakubun.htm を参考にしました)
(回答者:編集部)

【La Revuo Orienta誌 2019年3月号より】

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