最新情報 Aktualaj Informoj

ことばの質問箱 R.O. 2017年10月号

Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 <3><4>

◆質問 povasの使い方
例えば、明日、出席できるという時、今現在は、出席出来るならば、明日のことでも、Mi povas ĉeesti にするとよいと思うのですが、Mi povosにしている人が結構います。どちらがいいのでしょうか?
●回答 状況を考える。どう質問され、答えるのか。
1. エスペラントの場合
Ĉu vi povos ĉeesti? に答えるから、おうむ返しのJes, mi povos. で問題なし。
2. 日本語の場合
たぶん明日、出席できる? に対して、「できます」のつもりでMi povas. という場合。
これでも意味は通ずるだろうし、誤解の恐れはないでしょう。
しかし-as は現実に今あることを表現する。出席(ĉeesti)は今でなく未来(明日)のことだからMi povos ĉeesti です。
なお、「未来の不確定時点(漠然とした未来)」の描写には現在形 povas を使う例があり、「一般的現象」として扱われているものと理解できます。上記の例のように明日の会合となればpovosだろうと思いますが、ザメンホフの用法に以下のようなものがあります。
Li povas veni ne pli frue, ol en la nokto.
Ili povas veni nur sufiĉe malfrue.
『エスペラント日本語辞典』に載っている例文でも、Li povas veni en ĉiu minuto(彼はいつ来るかもしれない)がありますが、これも「未来の不確定時点」の描写といえます。これは、「(可能性として)ありうる」という意味になります。 (回答:星田 淳、他)

◆質問 U-formo(動詞の語尾-u)の使い方
「…したい」という表現をしたいときに、エスペラントで“…-u”といえますか?「私は本を読みたい」はMi deziru legi libron.と言えますか?
●回答 「私は本を読みたい」は、Mi deziras legi libron.でよいと思います。また、Mi legu libron.「私は本を読もう!」という願望より強く意志を表わす言い方はあります。
U-formo について、文法書POMEGO*では、これを 、Vola modoとして、
U-formo montras, ke la ago aŭ stato ne estas reala, sed dezirata, volata, ordonata aŭ celata.
と表現しています。つまり、現実はそうなってないが、こうしたいという意志の表現で、日本語でいえば、願望、依頼、命令を含むでしょう。U-formo の本質は、ある状況をこうしたい(変えたい)という発言者(ふつうはmi)の意志を示すもので、命令や願望などにも相当します。「他人に何かをしてもらいたいという願望」の場合は、「私は彼女にこの本を読んでもらいたい」なら、Mi deziras, ke ŝi legu tiun libron.と言えます。(回答:星田 淳、他)
*Plena Manlibro de Espernata Gramatiko


【La Revuo Orienta誌 2017年10月号より】

ことばの質問箱目次

関連記事

注目記事

  1. 2024国際母語の日ポスター

催し物情報

  1. 2024.4.17

    6/30(日) 京都市:エスペラント語 1日入門講座

  2. 2024.4.15

    5月3日 エミーニョさんのオンライン講演会+夕食会

  3. 2024.4.10

    4月27日新会館建設へ向けて JEI歴代事務所跡ツアー

  4. 2024.1.19

    オンライン会話講座 “Ni parolu!” のご紹介

  5. 2024.1.18

    4/13(土) 9/8(日) 京都市:エスペラント語 入門講座

分野別まとめ

月別過去記事