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ことばの質問箱 R.O. 2018年1月号

Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 <8><9>

◆質問 受け身の表現
受け身の表現に、〜iĝas と estas 〜ata の2方式ありますが、意味、使用法に差はあるのでしょうか?
●回答 「受け身」というのは、例えば La gazeto estas eldonata ĉiumonate.(その雑誌は毎月発行されている。)のように、主語(La gazeto)が何らかの動作(eldoni)を受けていることを示します。これと同じ内容は確かに La gazeto eldoniĝas ĉiumonate. といえます。これも日本語では(その雑誌は毎月発行されている。)とも訳されるため、受け身と思われるのかもしれません。ただこちらは「受け身」ではなくて、あえていえば(その雑誌は毎月出ます。)のように主語の方がある動作をしている表現になります。よって〜iĝasを受け身の別形式とするのは合っていません。
また、受け身には本誌先月号に示したように estas 〜ita が適当な場合もあります。例えば Tiu numero estas eldonita lastamonate.(その号は先月発行された。)という受け身と、これと同じ内容を言う Tiu numero eldoniĝis lastamonate.(その号は先月出た。)です。

◆質問 接尾辞 〜iĝas
〜iĝas のいろいろな使い方を教えてください。
●回答 『エスペラント日本語辞典』には、「-iĝ-」は、当該の状態に移行する接尾辞とあります。また、以下のように用法についての記述があります。
1. 動詞語幹に付いて、他動詞を自動詞にする。
他動詞 eldoni を自動詞 eldoniĝi のように。
2. 新しい状態への移行として、線動詞(その表す行為が継続的な動詞)を点動詞(その表す行為が瞬間的な動詞)にする。
stari(立っている)を stariĝi(立つ)にするのが例です。なお、開始の接頭辞 ek- を使うと同じ意味になることがあります。ただ、ekstari ですと、「立ち上がった(=stariĝi)」の他に「横から来て立ち止まった」という意味を持つ場合もあります。
また、mortiĝi のように、点動詞である自動詞 morti に、移行の経過を強調するために -iĝ- を付ける表現もあります。
3.動詞以外の語幹に付いて自動詞をつくる。「…になる」
beliĝi(美しくなる)のように形容詞語幹(bel)に付く場合、viciĝi(列に並ぶ)のように名詞語幹(vic)に付く場合、kuniĝi(一緒になる)のように無語尾の単語(kun)に付く場合、altabliĝi(席に着く)のように前置詞+名詞語幹(al+tabl)に付く場合があります。
(回答:編集部)


【La Revuo Orienta誌 2018年1月号より】

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