【第92回 世界エスペラント大会・報告書】 第92回世界エスペラント大会国内準備委員会 Landa Kongresa Komitato de la 92a Universala Kongreso de Esperanto 162-0042 東京都新宿区早稲田町12-3 財団法人日本エスペラント学会内 電話:03-3203-4581 ファクシミリ:03-3203-4582 メール:esperanto@jei.or.jp ホームページ:http://www.jei.or.jp/UK92/ 携帯用ホームページ:http://www.k4.dion.ne.jp/~uk2007/i/index.html 事務局:410-0012 静岡県沼津市岡一色501藤巻方 電話+ファクシミリ:055-922-3783 メール:esperanto@thn.ne.jp  2007年8月28日 ============= 【1】会議の名称 第92回世界エスペラント大会 La 92a Universala Kongreso de Esperanto 【2】主催団体 世界エスペラント協会 Universala Esperanto-Asocio Nieuwe Binnenweg 176, NL-3015 BJ,  Rotterdam, Nederlando 電話:+31-10-436-1044 ファクシミリ:+31-10-436-1751 メール:uea@co.uea.org ホームページ:http://www.uea.org 【3】共催団体 財団法人日本エスペラント学会 Japana Esperanto-Instituto (世界エスペラント協会日本支部) 162-0042 東京都新宿区早稲田町12-3 電話:03-3203-4581(代表) ファクシミリ:03-3203-4582 メール:esperanto@jei.or.jp ホームページ:http://www.jei.or.jp/ 【4】大会名誉会長中田宏 横浜市長 【5】後援等(順不同) 日本ユネスコ国内委員会 独立行政法人 国際交流基金 独立行政法人 国際観光振興機構 社団法人 日本ペンクラブ 社団法人 日本ユネスコ協会連盟 神奈川県 神奈川県ユネスコ連絡協議会 横浜市 財団法人 横浜市国際交流協会 財団法人 横浜開港150周年協会 横浜ユネスコ協会 財団法人 横浜観光コンベンション・ビューロー 株式会社 横浜国際会議場 パシフィコ横浜 読売新聞社 毎日新聞社 産経新聞社 日本経済新聞社 神奈川新聞社 朝日新聞社横浜総局 NHK横浜放送局 テレビ神奈川 協力:横浜みなとみらいホール(財団法人横浜市芸術文化振興財団) 協賛:週刊金曜日 【6】協賛団体 エスペラント普及会 国際語教育協議会 日本青年エスペラント連絡会 北海道エスペラント連盟 東北エスペラント連盟 関東エスペラント連盟 東海エスペラント連盟 関西エスペラント連盟 中四国エスペラント連盟 九州エスペラント連盟 【7】大会名誉顧問 井上ひさし(作家/劇作家/前日本ペンクラブ会長) 梅棹忠夫(国立民族学博物館顧問) 川喜田二郎(東京工業大学名誉教授) 國弘正雄(エジンバラ大学特任客員教授) 栗栖継(チェコ文学者) 小林司(作家/元上智大学カウンセリング研究所教授) 佐高信(経済評論家) 高杉一郎(和光大学名誉教授) 田中克彦(一橋大学名誉教授) 陳舜臣(作家/日本芸術院会員) なだいなだ(作家/精神科医) 福原満洲雄(元東京農工大学学長) 本多勝一(ジャーナリスト) 吉沢久子(生活評論家) 米沢富美子(慶応大学名誉教授) 【8】会議期間 2007年8月4日(土)から8月11日(土)まで 【9】開催場所 主会場:横浜国際会議場 パシフィコ横浜会議センター4階/5階 副会場:横浜みなとみらいホール(開会式/閉会式/芸術番組)     神奈川県立音楽堂(演劇/コンサート) 横浜エスペラント週間2007会場(青年・市民向け公開番組):     ZAIM(展示,講座,ディスコなど)     横浜関内ホール(音楽の文化交流コンサート) 【10】参加登録者数 1,901名 (日本国内から1,024名 海外から877名) 実参加者数1,542名 一日見学券参加者のべ196名 【11】参加国 57ヵ国と3地域 アルメニア,オーストラリア,オーストリア,ベルギー,ブラジル,イギリス, ブルガリア,チェコ,チリ,中国,香港(中),デンマーク,エストニア, フィリピン,フィンランド,フランス,レユニオン(仏),ニューカレドニア(仏), ドイツ,ギリシア,インド,スペイン,ハンガリー,インドネシア,イラン, アイルランド,アイスランド,イスラエル,イタリア,日本,カナダ,韓国, クロアチア,キューバ,ラトビア,レバノン,リトアニア,ルクセンブルグ, メキシコ,モンゴル,オランダ,ネパール,ノルウェー,ニュージーランド, パキスタン,ポーランド,ポルトガル,ルーマニア,ロシア,セルビア, シンガポール,スロバキア,スウェーデン,スイス,タジキスタン,トルコ, ウクライナ,アメリカ合衆国,ウズベキスタン,ベトナム 参加登録者数の大きい上位10ヵ国  (1) 日本/1024人(2) フランス/94人(3) 韓国/91人(4) ドイツ/62人  (5) 中国/57人(6) リトアニア/49人(7) イタリア/46人(8) ロシア/35人  (9) ポーランド/34人(9) アメリカ合衆国/34人(10) オランダ/32人  (10) ブラジル/32人 【12】大会テーマ Okcidento en Oriento: akcepto kaj rezisto 「東洋における西洋:受容と反発」 【13】大会決議/Rezolucio de la 92a Universala Kongreso de Esperanto 本大会のテーマに沿って,閉会式で次の決議が発表された。 第92回世界エスペラント大会決議 第92回世界エスペラント大会は,57カ国から1901名の参加者が日本の横浜に集い 「東洋の中の西洋〜受容と反発」をテーマとして討議した。本大会は, 「西洋」と「東洋」の間では思想や影響が双方向に行きかっているにもかかわ らず,不平等があるためにこの相互性が見えなくなっていることを認め, また同じ要因のためにアジアの国々の間でも思想や影響の流れが妨げられてい ることを認め, 「西洋」と「東洋」という概念をあまりに硬直的に捕らえることで地域間の対 話が妨げられていることに留意し, 2008年が国際連合総会によって国際言語年と宣言されたことに満足をもって留 意し, 諸文明・諸文化間の関係は衝突ではなく,相互理解,正義そして平和が基盤と なるべきことを勧告し, さまざまな言語や文化を持った人々を橋渡しする能力がエスペラントに潜んで いることを確認し, 同時にエスペラント共同体の内外において異文化間に生じている問題を意識し, 問題解決にたずさわる機関や団体と協力することが緊急に必要であると指摘し, アジア内外で地域協力が生まれることがその地域でエスペラント活動が発展す る前提条件でもあることを宣言し, 多様性の中での統一を推し進める手段として,エスペラント共同体がとる真の 複数言語主義を無条件に支持することを言明し, 国際連合の定める国際言語年の目標達成のために尽力するようエスペランティ ストへ呼びかけるものである。(8月11日) 【14】プログラム報告(敬称略) 【14-1】 本大会プログラム(おもにパシフィコ横浜会議センターで行われた) ・世界エスペラント大会にはじめて参加する人のために/Unuafojaj Kongresanoj(8月4日/15時から16時) 世界エスペラント大会事務局長クレイ・マガリャエスが,大会案内書(Kongresa Libro)に沿って大会の概要を説明した。 ・エスペラント活動展示交流会/Movada Foiro(8月4日/18時から21時) 世界中のエスペラント活動団体(75団体)が,その活動について展示と紹介を行っ た。この番組は一般にも公開した。 ・世界エスペラント協会委員会,同小委員会(8月4日,5日,6日,7日,10日) 財団法人日本エスペラント学会を代表して,田平正子,東海林敬子が出席。同協会の 年次報告が受理された。2007-2009年度の役員7名が選出され,日本から堀泰雄が選 ばれた。名誉会員が選定され,日本から小西岳が選ばれた。2008年「国際言語年」 について,世界エスペラント協会として取り組むことを検討した。 ・大会テーマ討論/Kongresa Temo(8月5日,7日,9日) 臼井裕之を座長として,大会テーマ「東洋における西洋:受容と反発」に関する 講演,討論が行われ,大会決議がまとめられた。 ・世界エスペラント協会主催レセプション/Akcepto de UEA(8月5日/9時 15分〜9時45分/横浜みなとみらいホール・レセプションルーム) 金田孝之横浜市副市長,Hans-Peter Fluckigerスイス領事, Natalija Brmbotaクロアチア臨時大使, Gi Yugen中国大使館二等書記官, Mario Jose De Menezesブラジル副領事, Algirdas Kudzysリトアニア前大使, Irena Ganchevaブルガリア大使館文化担当職員, 津田幸男, 小林司, 栗栖継, なだいなだ, 田中克彦を迎えておこなった。 ・開会式/Solena Ina.guro(8月5日/10時〜12時/横浜みなとみらいホール・大ホール) 大会議長レナート・コルセッティの歓迎あいさつ, 登壇者紹介, 来賓紹介, 中田宏大 会名誉会長あいさつ(代読), 祝辞紹介, 国内準備委員会委員長柴山純一あいさつ, 津田幸男による大会テーマについての講演, 木島今日子ダンスアクティブによるダンス「日本の夏祭り」, レナート・コルセッティの祝賀演説, 各国代表あいさつ,大会最長老栗栖継のあいさつ, 開会宣言などをおこなった。 1,452名が参加。 ・エスペラント語学院会合/Akademio de Esperanto(8月5日,10日) ・専門団体のためのフォーラム/Faka Forumo(8月5日/13時から14時30分) ・地域別活動報告/Regiona Agado(8月5日,6日,9日) アジア,アフリカ,アメリカ,アラブ圏,オセアニアについて, それぞれの地域でのエスペラント活動が報告された。 ・直接教授法講座/Cseh-arang^oj(8月5日,6日,7日,9日,10日) エスペラントをエスペラントで教える教授法の実演と指導者講習が行われた。 ・エキュメニカル(世界キリスト教主義による)礼拝/Ekumena Diservo (8月5日/15時から16時/日本キリスト教団横浜指路教会) 約85名が参加。内,約15名が一般。 ・日本を紹介する講演/Prelegoj pri Japanio(8月5日,6日,7日,9日) 「日本の文化遺産」(小林司), 「日本人とは」(藤本達生), 「俳句,その歴史と技術」(廣高正昭), 「戦後日本の民主主義」(寺島俊穂), 「アイヌの歴史,アイヌ語と沖縄語でのプラハ宣言」(星田淳+横山裕之), 「日本のアニメーション,その歴史と性格」(林周行), 「布包み」(藤本ますみ) の講演が行われた。 ・国際大会大学/Internacia Kongresa Universitato(8月5日,6日,10日) 「東洋の天文学」(Amri Wandel), 「社会的不公平が健康に与える影響」(Jose Antonio Vergara), 「現代生活における地理情報システム」(柴山純一), 「ハイデガーによる東洋と西洋の対話」(Eugen Macko), 「学習者のための辞書」(後藤斉), 「資本主義と儒教文化」(Lee Chong-Yeong), 「西洋と東洋,受容と反発」(ヤマサキセイコー), 「少数言語は経済的敗者か」(木村護郎) の講義が行われた。 ・世界エスペラント協会事務局との質疑応答/CO Respondas(8月6日/9時から10時) 世界エスペラント協会事務局への要望が寄せられ,それに対して質疑応答が行われた。 ・月曜教養講座/Kleriga Lundo(8月6日/9時から14時まで) 「母語としてのエスペラント」, 「アジアの宗教」, 「アジア共通史」, 「文化の違い」, 「書評について」, 「エスペラントはヨーロッパの言語かそれとも世界の言語か」, 「アジア経済,その現状と展望」, 「太平洋をとりまく国々」, 「ことばの祭典」, 「ウェッブページと広報活動」, 「南アジア・東アジアでのエスペラント運動」, 「人前で上手に話す方法」 などのテーマについてのシンポジウムが行われた。 ・30分自著紹介/A.tora Duonhoro(8月6日,7日,9日,10日/11時30分から 12時・16時30分から17時) 19人の著者が自著を紹介し,質疑に応じた。 ・日本語速習講座/Japana Eksprese(8月6日,7日,9日) 伊藤哲司による日本語速習講座を実施した。 ・エスペラント会話教室/Paroligaj Lecionoj kaj Metiejo kun www.edukado.net(8月6日,7日,9日,10日) 初心者向け会話教室が行われた。 ・エスペラント国際検定試験/Internacia Ekzameno de ILEI kaj UEA(8月6日, 7日,9日) 3名が初級を受験し,全員が合格した。 ・宴会/Bankedo(8月6日/19時30分から21時) 280名が参加し,着席ビュッフェ形式の会食を楽しんだ。 ・舞踏会/Kongresa Balo(8月6日/21時30分から23時まで) 宴会に引き続き社交ダンスを楽しんだ。 ・ウイリアム・オールドを偲ぶ会/Memore pri Wiliam Auld 1924-2006 (8月7日/10時30分から12時) 昨年逝去したエスペラント作家・詩人ウイリアム・オールドを偲んだ。 ・日本伝統文化の部屋/.ambro de Japana Tradicia Kulturo(8月7日,9日) 茶道(29名), 生け花(35名), 三味線(20名), 書道(29名), ソロバン(33名), 着物の着方(78名)を, 体験をまじえて紹介した。 ( )は参加人数。着物の展示(「日本和装」提供)には約100名が訪れた。 ・世界エスペラント協会新役員との質疑応答/ Nova Estraro Sin Prezentas (8月9日/9時から10時30分) 本大会中に選ばれた新任役員が自己紹介をした。質疑応答も行われた。 ・今年の本/Libroj de la Jaro(8月9日/10時30分から12時15分) 日本からは,リブロテーコ東京,ホリゾント社,関西エスペラント連盟, 財団法人日本エスペラント学会が新刊エスペラント書籍を紹介した。 ・エスペラント学国際会議/Esperantologia Konferenco(8月9日/14時から18時) 「エスペラント日本語辞典編集におけるエスペラント語彙について」(後藤斉), 「エスペラント韓国語辞典編集の経験より」(Ma Young-tae), 「言語の膠着性について」(ヤマサキセイコー), 「エスペラントにおける場所指定前置詞などの多様性について」(千田俊太郎), 「Ludovikito(伊東幹治:1918-2005)について」(藤本達生), 「ザメンホフことわざ集と松葉菊延氏による東洋の叡智との対応について」(柴山純一), 「エスペラントによる現実世界の表現方法について」(Alicja Sakaguchi) の発表が行われた。 ・雄弁コンクール/Oratora Konkurso(8月9日/16時30分から18時) 6名が参加した。1位Rolf Peter Fantom(イギリス),2位Wang Shanshan(中国), 3位Song Hoyoung(韓国)。 ・横浜市・財団法人日本エスペラント学会共催レセプション/Urbestra Akcepto (8月9日/17時から18時/横浜市市長公舎) 野田由美子副市長と国内準備委員会委員が,世界大会参加各国代表や世界エスペラント 協会役員ら155名を招きレセプションを行った。 ・オークション/Kongresa A.kcio(8月10日/14時から15時30分) 数十点の稀覯本やサイン入りの古本・手紙・写真・エスペラントグッズを完売。 売上は世界エスペラント協会ボランティア基金に入れられる。 ・これからの世界エスペラント大会開催地紹介/Venontaj Kongresoj(8月10日 /16時から17時) ロッテルダム(2008年)とビャウィストク(2009年)が紹介された。 ・エスペラント団体が開催する各種分科会/Diversaj fakaj kunsidoj 鉄道, スカウト, 姉妹都市活動, 骨盤湧命法, 無神論, 医療, 環境保護活動, 禁煙, 心霊主義, 科学, 仏教, 音楽, 円仏教, 先住民, 社会科学, 囲碁, 法律, 民族自立主義, アマチュア無線, 視覚障害者, ヨーロッパ民主主義, 猫の会, エスペラント家族会, エスペラント作家, 商業, 世界エスペラント協会機関誌, スポーツ, 青年活動, 青年活動後援会, 国際コーラス, 各国活動, 学校の日, 教師, 世界エスペラント協会代議員, 大会後観光ガイダンス, 国境なきエスペランチスト, 大本, 世界言語問題研究所, 世界市民の会, エスペラント永年活動者 などについての分科会が行われた。 ・閉会式/Solena Fermo(8月11日/10時〜11時30分/横浜みなとみらいホール ・大ホール) 開会宣言, 登壇者の紹介, 物故者への黙祷, 各賞の授賞式, 大会報告, 大会決議, 文芸コンクール入賞者発表, 国内準備委員会委員紹介, 次々回開催地(ビャウィストク/ポーランド)発表, 大会内託児所利用者と国際子ども大会参加者のあいさつ, 次回開催地への大会旗伝達(ロッテルダム/オランダ) などが行われた。926名参加。 【14-2】芸術プログラム ・日本の夕べ/Nacia Vespero(8月5日/18時30分から21時30分/横浜みなと みらいホール・大ホール) 「十二音会」による雅楽「陵王」, 澤村祐司らによる箏曲「桜変奏曲」,「慷月調(こうげつちょう)」,「琉球民謡による組曲」, 吉村輝尾による日本舞踊「鷺」, そして国際基督教大学和太鼓部の演奏が行われた。1100名が来場した。 ・演劇の夕べ/Teatra Vespero(8月7日/18時30分から19時30分/神奈川県立音楽堂) 「おしゃべりな妻」(Sasa Pilipovic+Tereza Kapista), 「ガリレオの生涯」(Sasa Pilipovic)が上演された。約500名が観劇した。 ・田島万祐子コンサート/Koncerto de Tazima Mayuko(8月9日/15時から16時 /神奈川県立音楽堂) 田島万祐子,読谷山こずえ,沼田盛也が「ピアノによる日本の曲」, 「エスペラントで歌う日本の歌」を披露した。 ・大会記念コンサート/Koncerto(8月9日/18時30分から21時/神奈川県立音楽堂) リトアニアの音楽一家(プロ)アソルティと,モーツアルト・アンサンブル・ オーケストラが演奏した。約800名。内,一般から22名。 ・国際芸術の夕べ/Internacia Arta Vespero(8月10日/19時から21時/横浜 みなとみらいホール・大ホール) 大会参加者の中からオーディションで選ばれた13組の個人・団体が,歌,踊り, 楽器演奏,独演などを披露した。最後はAlan Bishop(オーストラリア)が 指揮する国際コーラスが,大会期間中に練習した成果を披露した。入場者は820名。 ・マリンバ演奏,管楽器演奏など(パシフィコ横浜会議センター) 【14-3】 観光プログラム 大会前後観光と一日観光,半日観光D1〜D3は,近畿日本ツーリストが担当した。 大会前後観光では,同社が派遣した添乗員とガイドのほかに,国内準備委員会が エスペランチストの添乗員と観光ガイドを手配した。工夫を凝らした案内がたいへん 好評であった。半日観光D4〜D7コースは,横浜案内のボランティア団体である 横浜シティガイド協会に案内役をお願いした。これらのコースにも, 横浜エスペラント会メンバーを中心とするエスペランチストの案内人がついた。 ・大会前観光/Anta.kongreso(7月31日から8月3日まで) [A1]京都・奈良方面2泊3日(31名), [A2]広島・宮島・京都方面3泊4日(35名), [A3]日光・宇都宮方面2泊3日(6名)の3コースが実施された。 ・一日観光/Tuttaga Ekskurso(主に8月8日) [E1]江戸東京博物館・上野国立博物館・アメ横・秋葉原電気街, [E2]東京都庁・国会議事堂・浅草寺・二重橋, [E3]明治神宮・お台場・トヨタショールーム見学・浜離宮・二重橋, [E4]川崎民家園・岡本太郎美術館・山下公園, [E5]鎌倉観光, [E6]箱根観光, [E7]富士山観光の7コースが実施された。 参加者は581名であった。 ・半日観光/Duontaga Ekskurso(大会期間中) [D1]キリンビール工場見学, [D2]総持寺座禅体験, [D3]ズーラシア, [D4]みなとみらい地区散策, [D5]山下公園・中華街散策, [D6]能楽堂・伊勢山皇大神宮, [D7]三溪園の7コースが実施された。 参加者は482名であった。 ・大会後観光/Postkongreso(8月11日から15日) [P1]東京・日光・水戸方面3泊4日(28名), [P2]東京観光2泊3日(15名) の2コースが実施された。 【14-4】常設サービス(パシフィコ横浜会議センターで行われた) ・図書展示販売/Libroservo de UEA(8月8日を除く大会期間中/9時から18時) 5000点を超える図書や,CD,DVD,Tシャツ,グッズなどを展示販売した。 ・大会新聞「Ondas Jokohamo」 8月8日を除き,4日から11日まで7号発行した。点字版も発行した。 なお,大会後の8月25日に「追加号(Posta Numero)」を発行した。 ・横浜中央郵便局出張スタンド/Pos^toficejo 郵政公社が切手や切手付きはがきの発売と記念スタンプ押印発送のサービスを行い, 大会参加者に喜ばれた。また,エスペランチスト有志が,第92回世界エスペラント 大会記念の絵入り切手の販売を行った。 ・総合案内所/Informejo 総合案内所を設けて,参加者にさまざまな情報を提供した。 ・伝言板サービス/Rendevua Tabulo 大会登録ナンバーを利用して,参加者間の伝言を仲介した。 ・託児所/Infanvartejo 8月8日を除く毎日託児所を設けた。子どものべ63人(日本,韓国, アメリカ合衆国,ポーランド)が利用。保護者9人, ボランティアスタッフ26人,見学者75名。 【14-5】横浜エスペラント週間2007(青年・市民向け公開番組) ・展示会「エスペラントでこんなことが」/Ekspozicio+Libroservo (8月4日から11日まで) エスペラントの紹介,およびエスペラントでこそできることをパネルとAVで紹介し た。図書の展示販売も開催。図書販売ではエスペラント関係の団体・個人のほかに, 岩波書店,白水社,原書房,せせらぎ出版,文芸社,星雲社,週刊金曜日(雑誌)も 出店した。 ・夜のコンサート/Koncerto(8月4日,8日,9日,10日) 毎回約80名,のべ約320名が参加した。一般高校生22名が,コーラス,バンドで参加した。 ・世界のベジタリアンと話そう/Vegetara Lunc^o(8月5日/13時から15時) 世界各国のベジタリアンが集まり,講演と菜食の昼食会を楽しんだ。60名参加。 内一般30名。 ・ヒロシマから世界へ発信/El Hiro.imo al la mondo (8月5日,6日,9日,10日/15時30分から16時) 今年の国連国際女性デーのためにヒロシマから世界に発信したメッセージと, その返事(世界50ヵ国から)を紹介した。 ・90分エスペラント講座/Esperanto-kurso por japanaj civitanoj (8月5日,6日,8日,9日,10日) 計170名参加。8日(水)を除き,各回とも定員20名を大幅に越えた。 ・詩の朗読の夕べ/Poezia Vespero(8月5日/16時から18時) クロアチアの小説家スポメンカ・シュティメッツとハンガリーの詩人イシュトバン・ エルティル,谷川俊太郎を迎え,自作の詩の朗読とトークを行った。 通訳は臼井裕之と,泉幸男,北川久。230名参加。内,一般参加者60名。 ・青年の宴会/Junulara Bankedo(8月6日/18時30分から21時) 若者を中心とした国際色豊かな宴会が,ZAIMそばの和風居酒屋「かっぽうぎ」 (42名)とその近くの居酒屋(20名)の2カ所に別れて行われた。 ・ふるさと紹介/Gustumu Japanion!(8月7日/14時から16時) 岩手,名古屋,広島の紹介と日本のお酒を楽しんだ。参加者50名。 ・エスペラント劇/Teatraj^o(8月7日/13時から13時45分) 上智大生により「Felic^o de unu talanto」(1タラントの幸福)が上演された。 ・音楽の文化交流コンサート/Koncerto(8月7日/18時から21時/関内ホール) リトアニアの音楽一家アソルティ, マリンバ奏者カーヤ・ファルスキー, 八重山の音楽ユニット弥勒, 和太鼓グループ昇龍が出演した。 300名参加。内一般参加者80名。 ・日本の遊び/Japanaj ludoj(8月9日/14時から15時) 「ペタクタ」創作と二人羽織ゲームを行った。参加者40名。 ・エスペラント人形劇「はなさかじい」ほか/Pupteatraj^o(8月9日/15時15分 から16時15分) 人形劇団「座♪とんとん」が出演した。 ・三味線講座/S^amisen-kurso(8月10日/14時から15時) 三味線を実際に使いながら,演奏奏法の基礎を学んだ。20名参加。 ・青年遠足/Ekskurso de Junularo (1)横浜・夜の散歩/Vespera Promenado en Jokohamo 8月5日。 横浜みなとみらいホール→大桟橋埠頭。21時に出発し,横浜の夜景と 夏の夜風を楽しんだ。約100名参加。 (2)鎌倉と逗子海岸/Duontaga Ekskurso al Kamakura kaj marbordo 8月6日。 東慶寺→建長寺→逗子海水浴場。建長寺半僧坊で,皆で1枚の絵馬に願いを 書き掲げた。その後,逗子海岸で海水浴を楽しんだ。15名参加。 (3)ジブリ美術館と三鷹市長表敬訪問/Tuttaga Ekskurso al Mitaka 8月8日。 美術館見学後,清原慶子三鷹市長を表敬訪問。通訳をまじえて30分懇談。 この模様が8月10日に三鷹市内のケーブルテレビで放送された。なお,美術館の チケットは三鷹市からのプレゼント。また,市役所敷地内の市民が運営する カフェで休憩した際に,参加者の写真入りうちわをプレゼントしてもらった。 市役所内の原爆関連の展示物を見学することもできた。20名参加。 (4)東京への一日遠足/Tuttaga Ekskurso al moderna Tokio 8月8日。 池袋防災館→原宿散歩→NHKスタジオパーク→渋谷散策。若者の街原宿・渋谷散策 を楽しんだ。15名参加。 (5)いにしえの東京半日観光/Duontaga Ekskurso al malnova parto de Tokio  8月10日。東京国立博物館→寛永寺→根津神社→谷中銀座。参加者の多くが 日本人初心者で,海外エスペランチストが,遠足を楽しみながら,彼らに エスペラントの初歩を教えるという,一風変わった趣の遠足となった。9名参加。 【15】特記事項 ・(財)日本エスペラント学会が,アジア各国から20名を本大会に招待した。 ・横浜市の協力で,8月3日から12日まで三ツ沢公園青少年野外活動センターを 宿舎として貸していただいた。21カ国よりの65名(宿泊世話担当者も含む) (のべ303名。宿泊世話担当者除く)が25人部屋3室(男女別)に宿泊し, 大幅に安価な宿泊費で快適な合宿生活を楽しんだ。 また8日には,国内委員会宿泊担当主催で,同センター宿泊者に大会一般参加者が 加わり,バーベキューを行った。13カ国よりの34名が参加し交流した。 ・寿町の簡易宿泊施設を改造してホステル運営する横浜ホステルビレッジとも 2年以上前より交流を深め,30室(1室3畳)を借り,安価な宿泊場所として 大会参加者に提供した。 【16】関連行事 ・横浜市内関係者への事前エスペラント講習会 (1)横浜観光コンベンション・ビューロー主催。講師は横浜エスペラント会から派遣。 2007年2月から毎月2回,7月4日まで12回実施。7名受講。 (2)横浜エスペラント会主催,横浜ホステルビレッジ対象。2006年10月14日から 毎月1回,2007年7月7日まで全10回。6名受講。 ・第92回世界エスペラント大会協賛絵画展 春陽会会員駒村久弥と,その令嬢ザックス・めぐみ・駒村(フランス・メッツ在住)の 表紙絵/挿絵原画展。 会期:8月4日(土)から11日(土) 会場:ZAIM(第一会場)アートスペース・イワブチ(第二会場) ・第38回国際子ども大会 8歳から16歳までの,エスペラントが話せる子どもたちのための大会。子ども13名と, おとな(親とボランティアスタッフ)8名が参加。8月11日に,第92回世界エスペラント 大会閉会式に合流した。 会期:8月4日(土)から11日(土) 会場:財団法人日本エスペラント学会八ヶ岳エスペラント館(山梨県北杜市) ・第5回新渡戸記念国際シンポジウム 一般120名,エスペランチスト50名(国内+外国)が参加し,21の講演が行われた。 テーマ:ヨーロッパ言語とアジア圏--言語政策の過去・現在・未来 主催:世界言語問題調査記録センター /上智大学ヨーロッパ研究所 /(財)日本エスペラント学会(3団体の共催) 会期:8月2日(木),3日(金) 会場:上智大学四谷キャンパス(2号館1702会議室) ・第40回国際教育者エスペランチスト連盟大会 23ヵ国から69名が参加。内9名が日本人。 大会テーマに沿ったシンポジウム,各種セミナー,講演,報告を行った。 後半では,一日観光(日光),半日観光(小川町/嵐山/川越)や, 折り紙,風呂敷,茶の湯,生け花,着物着つけなどの日本文化体験講座も行った。 テーマ:エスペラント文化の中の女性たち 会期:8月11日(土)から19日(日) 会場:(独)国立女性教育会館(埼玉県嵐山町) 【17】第92回世界エスペラント大会国内準備委員 柴山純一(委員長) 東海林敬子(副委員長) 藤巻謙一(事務局/広報担当) 斉藤ツメ(会計担当) 鈴木恵一朗(宿泊/公開番組担当) 広瀬香苗(宿泊副担当) 大黒由起子(宿泊副担当) 中村大真(会場・番組進行担当) 田平正子(一般番組担当) 石野良夫(ボランティア担当) 田中滋(ボランティア副担当) 川西徹郎(受付担当) 黒柳文子(受付副担当) 石川智恵子(総合案内担当) 黒柳吉隆(総合案内副担当) ドイヒロカズ(大会報道担当) 堀泰雄(大会新聞担当) 土居智江子(大会新聞副担当) 中道民広(大会前後観光担当) 葛目苑子(大会前後観光副担当) 硲大福(芸術番組担当) 井崎倫子(芸術番組副担当) 岩谷満(ホームページ担当) 鈴木一星(青年・一般公開番組担当) 田島万祐子(青年・一般公開番組副担当) 天野弥生(青年・一般公開番組副担当) 北川郁子(青年・一般公開番組副担当) サーノ葉子(こどもプログラム担当) 山本辰太郎(こどもプログラム副担当) 堀田有里(こどもプログラム副担当) 鶴田静男(一日・半日観光担当) 村田和代(一日・半日観光副担当/ボランティア副担当) ※このほかに,ヘルパント(ボランティアスタッフ)として293名が大会の運営に協力した。 また,ヘルパント登録をせずに運営にご協力くださった方もたくさんいる。 ※表紙:第92回世界エスペラント大会(横浜)のシンボルマーク: 宮城県登米市の遠藤祐司原案作成。