JEI99OCT投稿 名古屋エスペラント会 小嶋重雄 (会員)    

Internet上のEsperantoの代用表記について(考察)

[はじめに]
 今回は「Esperantoの書き言葉として未来」について少し考えてみましょう。Internetのwww は、全世界を結ぶ知の宝庫、つまり、人類の知性の創造物の集大成といってよいでしょう。そのwwwでは、Esperanto文はどのように表記されているでしょうか。
 Esperantoの文字の最大の特色は字上符(supersigno)ですが、www上では、実は字上符を用いない「代用表記」の用いられたホームページ(以下web)が多く見られます。これについて驚いたり、嘆いたりする前に、少し知っておくのも無駄ではありません。代用表記そのものは、独語、露語など、字上符を用いる大言語でも、かつてより出版物や、web 上に見られ、彼我のキーボードやフォントの都合を考慮しやむを得ず使われている現象です。

[実例紹介]
 次のURLを順に開いてみてください。そしてEsperanto文をよくながめてください。
http://www.uea.org/ A:オランダUEAのトップページ
http://www.jei.or.jp/hp/esp.htm B:東京JEIのEs文トップページ
http://www.euroseek.com/page?ilang=eo (C:スウェーデンEuroSeek社のEsページ)
 cスーペルを、Aでは、[ch]、Bでは[cx]、Cでは[c']とする表記がなされています。歴史的登場順はともかく、これらは現行のwww上に見られる3種類の代用表記です。[ch]式はみなさんも以前にもどこかの印刷物で見たことがあると思います。[cx]式はweb上の他に、Esperantoの電子メールで用いる人が伝播・増殖しています。どこの国のどのキーボードでもこれなら誤らずに意を伝えることができます。現行のEs団体の公式webでは多数を占めています。だだ、[cx]は見た目には迫力がありすぎるように私は感じます。[c']式はスウェーデンのこのサイトで用いられていますが、見た目には違和感が最も少ないと思います。普及していくかどうかは微妙です。
 これらの代用表記のページの頭の部分には、「本ページには[cx]方式を用いています」、と注記されている場合がよくあります。どの方式にしろ、webやメールにより、世界中のInternetl利用者に伝播して行きます。便利で、(見慣れて)読みやすい方式が多数派になっていくことには間違いありません。
  
[Latin3コード]
 ここまでお話してきて、webの一部で新しい流れが現れています。Latin3コードを用いたwebの登場です。Latin3には、 Esperantoの字上符が含まれています。だだし、あなたのブラウザがLatin3の文字コードを含んでいない場合は文字設定をチェックする必要があります。Webで馴染みのある西欧系の大言語にはLatin3は無縁ですし、Internetの市販書にLatin3の名が登場することはまずありません。ともかく、次のHPを開いてください。
http://www.uea.org/cgi/m.cgi?m=lat3a&d=index.html AL:UEAのlatin3版
http://www.jei.or.jp/hp/esp l3.htm BL:JEIのLain3版
Esperantoの字上符が正しく表われています。つまり、正書法のEsperantoがここにあります。

[まとめ]
 web上では、Latin3コードを用いたwebが登場し始めています。それらの熱心なwebmaster(管理者)たちが、[ch]や[cx]版も廃止せずに併せて公開しているところがミソだと思います。UEAでは[ch]式をかつてより使ってきたこと、メールの世界では[cx]式がこれまでにかなりの実用度を持っておる、そして、もちろん、Latin3フォントを使えないキーボードからは字上符を打てないのが事実なのですから、[ch]式や[cx]式のwebは十分に有用と言えましょう。
 前述のように、独語、露語などの世界でも、電子メール利用時に代用表記を用いるケースがあります。独語ではウムラウトを単文字に、露語ではキリル文字をラテン文字に規則変換してやれば、用件は十分伝わります。代用表記は、本国の正書法とは別に、母国を越える情報交換のための方便といえましょう。 
 最後に、RevuoOrienta誌等でも既報のとおり、Esperantoなどの字上符をJISの拡張水準の中に入れる検討がなされています。これは、Es他の字上符言語には朗報です。でも、これだけではすべては変わらないと私は思います。外出先の、任意のキーボード(パソコン)に、この新しいJISフォントがインストールされている保証はないからです。代用表記を公認(使用を容認)するか、或いは、代用表記のいずれかをEsperanto第二世紀の正書法とするか(!?)。今後、皆さん注目していきましょう。

以 上(99/sep/28筆 )