八ヶ岳エスペラント館のあゆみ
1995年

このテキストは、主としてROに発表された資料に基きました。これから、他の資料も参考に、内容を充実していく予定。(クリタ)

2003年6月1日更新




八ヶ岳インフォルミーロ(1号)1995年6月10日


ライセンス保持者のみなさん


去る4月の本格的なオープン以来、八ヶ岳エスペラント館はみなさん方のご支援とお励ましのお陰で、順調な歩みを続けています。今日は今までの経過を振り返って、ニュースをお知らせすることにします。

夏になりました。ライセンス保持者の方はぜひこの夏、ご家族やお友達とごいっしょに一度は館に泊まってみてください。

第3回八ヶ岳エスペラント館運営委員会が開かれました。


1995年5月26日(金)14:00〜18:00に早稲田エスペラント開館で第3回の運営委員会がひらかれ、オープン以来のいろいろな問題について話し合いました。以下、きまったことの一部です。

高瀬さん渉外係も兼務


高瀬さんはいままで、会計係となっていましたが、実際の仕事は渉外てきなことも多いので、それを反映させて、高瀬さんに会計係と渉外係を兼務でお願いしました。

チラシの書き方の問題


Pluraj grupoj menciis la logxkoston de YED, sed YED ne estas permesata preni logxkoston kontraux tranoktado tie.
YED en la nunaj arkitekturaj kondeicxoj ne estas uzebla lauxlegxe kiel pagata tranoktejo laux koncernanta administracia oficejo. Presita mencio pri pagoj por tranoktado kauxzus gravan sekvon. Neevitebla minimuma mencio pri la pago en ia ajn formo estu en esperanto sed ne en la japana.

補充、購入、修理が必要なもの


運営委員会で出たものです。全部がすぐ実現できるわけではありませんが、運営委員はできるだけの努力をしています。

カオーのクリッパー、竹ぼうき、バケツ、キチンマット、下駄箱(下の棟の入口)と本箱(木材の色のカラーボックスで考える)、サンダル(洗えるもの)スリッパ、キーボックス、部屋の表示、入口の名称と利用案内(いつ何がおこなわれるか表示)、CDプレヤ―(録音もできるもの)、上の棟の2階にモダンな椅子とサイドテーブル、フロアースタンド、足元ランプ、タオルかけ(各部屋に)、ファックス(コードレス電話機つき)、カギ箱(カギ箱のカギをふきはらに預ける)、コンクリートの水がたまる場所の修理、資料に値段(下の棟の入口前に置いてある資料などには、値段を書いておき、そばにカンパの箱を置いておく)、中庭の階段の手すり(お年寄りに必要、木で体裁のよいのができる)、中庭と坪庭につた(葉が大きくて、あまりからまない種類を挿し木した)その他の植物。上の棟の研修室に机と椅子。

行事

1.館の公開日は、地元の人たちと交流をするための日です。6月第2土曜日の公開日は、レザ・ヘイルハーさんを招いて、ミニ講演会「イランの生活と文化」を行います。ビデオ、CDなどを使い、また小さなクイズも用意、すでにテレビと新聞(3社)にFaxを送りました。地元の人にも直接呼びかける予定。

そのあと外国人を招くのは8月。宇治チョコラさん紹介のブルガリアのVasileva Kristinaさんです。充分前宣伝を行う予定です。

2.Chrdle氏(チェコ)やHarold氏(ドイツ)招待の進み具合は、地元の小学校との折衝の過程や、小学校との日程調整のすすみ具合にかかわらず、10月の日本大会前をめどに勧めます。

地元の「オオムラサキ祭り」などの日程を確認し、エスペラント館としてどのように参加できるか、可能性をさぐりたいと思っています。

3.八ヶ岳エスペラント館一周年記念行事として、婦人の友に詩がのった李士俊氏(中国の有名な詩人エスペランチスト)招待も可能かどうか考えています。王漢平氏と一緒の招待の可能性も。

4.一週間くらいの日程で上級のエスペラント講習会をけいかくしたら、くる人はいるでしょうか。レザさんが自分が講師を引き受けてもよいと言っていました。都合のよい時期に設定でき、参加希望者が何人かいれば可能。

5.その他、他の文化施設と共同で行える行事の提案も来ています。これらの提案は、ある程度具体性が備われば運営委員会で検討し、さらに広く意見、協力を求めることになります。

6.なお、運営委員会以外に協力者がいさえすれば、八ヶ岳エスペラント館の事業としてできることはいろいろあります。一二例を上げてみます。

@ いろんな民族の人形を世界のエスペラント団体・個人と協力して、館の事業として集め、保存、展示する。

A 民族音楽のテープ・CDなどを集め、保存、利用する。

B 野鳥の会などと協力、エスペランチストを会して写真などを集める。(何月何日に日本で観測された鳥が、その後シベリアで観測された、など)

C 子供の絵を集める。

よいお考えがありましたら、お知らせください。

八ヶ岳エスペラント館紹介パンフ

婦人の友1995年6月号のカラー写真を利用する許可がとれたら、パンフに利用したいと考えています。モデルになるような、他の文化施設のパンフをさがし、形式がきまったら広く意見を求めたいと思います。
<3h> 八ヶ岳エスペラント館友の会 八ヶ岳エスペラント館友の会をつくり、寄付金をあつめようという提案があり、運営委員会で検討した。現在はまだ趣旨や運営などについて疑問の点があるので保留。
<3h> 現在までの利用状況 「流木と渓魚の美術展覧会」(4月27日〜5月5日)には173人の訪問者があった。一般寄付会計は現在高が、208,880円(5月26日)。宿泊者は、運営委員を入れると延べ100人を超えた。
<3h> ライセンス規定一部改正 運営委員会での協議の結果、ライセンス規定代7条の次の部分が改正された。
(いままでの規定)
ライセンス取得希望者(JEI正会員以上に限る)
(つぎのように改正)
ライセンス取得希望者(JEI会員に限る)

以下略


RO 95年2月号



経過報告(ekstrakto)

皆さんの支援で昨年10月1日に八ヶ岳エスペラント館は開所できました。この開所の整備に尽力された開設準備委員会は施設の現状や将来の方向付けを示した最終報告をし、12月31日までの委嘱の任期を終えました。
高度1000メートルの高原にある館は、3月まで休館します。水道管の凍結などの問題があるためです。
八ヶ岳エスペラント館整備のための寄付は、1月末現在で、6,305,200円に達しました。

日本エスペラント学会理事会



RO 1995年2月


試泊体験者の声
八ヶ岳エスペラント館を恋している私
瀧澤季子(家族会員)
昨年9月はじめ頃、八ヶ岳エスペラント館へ行っている夫から、「とにかく一度来てごらん、文句をいうならそれから...」と電話があり、一泊だけならと出掛けました。アラを探し出し、二度と行かなくてもいい理由を見つけようと意気込んでいたのです。

東京から6000円近くの料金、3時間も時間をかけて、最寄駅から10分近く、それも少し急な坂を上がり、少々嫌気がさして来たころに、都会育ちでコンクリートの家に住み、土など踏むことがない生活をしている自分に、木立の中を少し歩いたところで、デーンと構えた木の館が目の前に現れたんです。「カッコイー1」まず強力なパンチを食らってしまいました。でもまだ... 外面は良くてもだまされない... 心を引き締め、この建物の使用目的からの先入観で,内部はどこにでもあるような,無味乾燥なパイプの机と椅子,作り付けの味気ない二段ベッド,床はPタイルと想像していましたが,またもパンチ!とんでもない。温かみのある,こげ茶色の木製,テーブル,椅子,ベッドも同じ色合いでそろえられどっしりとした量感があるもの,勿論言うまでもなく床も白木でした。まいった!どこにも文句のつけようもありません。おろかさを反省し,もう文句は言うまいと思いました。

それからは,自分でもおかしいくらいエスペラント館にほれ込んでしまいました。それまでエスペラント館がどのようにして出来上がったかも知らなかったのです。森田さんがご主人を思われる気持は女性の立場として胸を打つように分かります。こんな素敵な夫婦愛にみちたエスペラント館は他にはないと思います。そのとき,学会の会員ではありませんでしたが,横にいた主人に相談もせずにその場で高瀬さんに「私にもお手伝いさせて欲しい」と頼みました。

高瀬さんは,身障者手帳をもつ見でありながら,森田さんの気持を思うと,動かずに入られないと準備委員を引き受け,酸素ボンベを背負いながら東京と八ヶ岳を往復,日帰りのこともあったそうです。開会式の当日,日帰りのつもりで出席された方が宿泊を望まれ,他の方が,宿泊延期を希望されたりと,楽しいこともありました。日本大会でお会いしていたり,お名前だけは分かっていてもお話もできずにいた方と明け方近くまでおしゃべりをしたり,楽しい思いでもできました。これが何にも変えられない学会会員全員の財産です。

世界エスペラント協会機関紙"esperanto"をも飾った館です。会員の皆さん!この館に恋し,立派に育てませんか。一回でも多く利用していただくことです。周辺には贅沢なほどたくさんの美術館,文化施設があります。今年の夏には,是非一度,足を運んでください。「エスペラント館で待っています。」「八ヶ岳で会いましょう」を合言葉に。



RO95年3月号


第一回八ヶ岳エスペラント館運営委員会報告
八ヶ岳エスペラント館準備委員会は、昨年の12月に任務を終えましたが、今年度からの運営に備えて、新しい運営委員がきまりました。次の6人です。
高瀬好子、浜田由美子、笹森桂一、手塚丞、伊藤照子、栗田 公明。
会議の内容
1.運営委員長の選出
委員長は栗田公明にきまる。
2.八ヶ岳エスペラント館の旅館業法、建築基準法関係の扱いについての報告。[2月7日に栗田,高瀬が韮崎の土木事務所と保健所へ行き確認)
3.年間行事予定
開館日は土,日曜日(祝祭日に開館することもある)
そのうち,第2,第4土曜日は公開日(一般の人を入れる。この2日は学校が休みなので,小中学生を考慮)
第2土曜日は「外国の話を聞く日」とし、毎回誰か外国の人にきてもらって自国についてやさしく話してもらう。
第4土曜日は,「やさしいエスペラントの日」とし,挨拶程度のエスペラントやエスペラントの歌などを中心に交流する。
4.ライセンス規定(別掲)
5.宿泊希望者の問い合わせ/申込み方法
3月1日からは、JEIの電話は使わないで、直接次の電話を使ってください。(略)
なお、申込み状況は,毎日PC-VANのエスペラントSIGのINFORMOで発表します。
再確認などにご利用ください。
6.役割分担
笹森桂一: 施設の管理(修繕個所の扱い,点検など)
手塚丞: 税理関係の処理
高瀬好子: 日常の出納,ライセンス説明会
浜田由美子: 企画(行事予定,その他)
伊藤照子: 広報
栗田公明: 運営全体の調整、宿泊申込みの受付

八ヶ岳エスペラント館利用者資格規定
(略称 八ヶ岳ライセンス規定)
1995年2月9日
日本エスペラント学会八ヶ岳エスペラント館運営委員会

1.八ヶ岳エスペラント館利用責任者資格規定は、八ヶ岳エスペラント館を安全かつ有効に利用することを目的とし,利用責任者の資格を決め、その資格取得の仕方、資格所有者の登録および八ヶ岳エスペラント館を利用するに当たっての資格所有者の権利と義務を定める規定である。

2.以下この規定では次の略語を使う。
@ 財団法人日本エスペラント学会八ヶ岳エスペラント館→八ヶ岳館
A 八ヶ岳館運営委員→運営委員
B 八ヶ岳館利用責任者資格→ライセンス

3.八ヶ岳館を利用する場合,必ずライセンス所有者が利用責任者とならなければならない。(ただし,当面,運営委員会が当直する場合{行事予定表による開館日〕には、ライセンス所有者がいなくても利用することができる。運営委員もできるだけ早くライセンスを取得する)ライセンス所有者は、利用期間中八ヶ岳館の鍵をあずかり管理する。

4.ライセンス所有者は,利用者の協力をえて八ヶ岳館の安全/維持と有効利用につとめる。具体的な遵守項目については,利用マニュアルに明示する。ライセンス所有者は、別に示す書式にしたがって、利用者日誌に必要事項を記入し署名しなければならない。

5.運営委員会は、ライセンス取得のための説明会を八ヶ岳館で開き、ライセンスを認定し、ライセンス所有者の名簿を作成し保管する。ライセンスを認定された者は、ナンバーの入ったライセンス証(カード)を受け取り、かぎを受け取るときはそれを提示しなければならない。

6.運営委員会はライセンス説明会の日取りを行事予定表に明示し公表する。

7.ライセンス取得希望者(JEI会員に限る《註》)は、運営委員会に申込み、八ヶ岳館で説明会に加わる。次の@についてはマニュアルにしたがって現場にあたって説明を受け、さらにA、Bについても説明をうける。ただしAは、地元の事情にくわしい人に対しては、運営委員会の判断で省くことができる。
《註》当初「正会員以上に限る」とされていたが、家族会員の取得も認められるように、上記のように改定されたもの。
@ 鍵の管理、諸設備(ガス、水道、電気、電話、等)の安全な取り扱い。戸口,窓の開閉,管理。清掃、ゴミの扱い方、等
A 立地条件や、近隣の有効/協力関係にある文化施設、美術館、など、八ヶ岳館の有効な利用に役立つ知識;
B 年間の行事予定。

8.運営委員会は、ライセンス保持者が八ヶ岳館利用責任者としてふさわしくないと認めた場合には、ライセンスを取り消すことができる。



ミニ講演会「イランの生活と文化」

演題:イランの生活と文化

講師:レザ・ヘイルハー(イランのジャーナリスト)

日時:1995年6月10日(土)午後2時〜4時

場所:八ヶ岳エスペラント館

内容
 新聞・テレビで「イラン」という名前を聞くことが多いわりには、イランについてあまり知られていません。
 そこで、今回は、イランのジャーナリストであり、有名なエスペランチストでもあるレザさんをお招きしてお話をうかがうことにしました。
 氏は、数年前から日本に滞在し、各地で同じテーマの講演を行い、行き届いた話術には定評があります。ビデオ(映像)、テープ(音楽)なども使い、またイランについてのクイズもあります。

公開日について

 エスペラント館では、地元のみなさんのために、なにかお役に立つことはできないものかと考えて、「公開日」をきめ、4月からはじめました。
 公開日は、毎月第2、第4土曜日(2時〜4時)です。だれでも無料で、参加できます。今回の講演も、この「公開日」の一環をして計画したものです。子どもからおとなまで楽しんで聞けるお話です。

主催:八ヶ岳エスペラント館



RO95年9月号


八ヶ岳館運営委員会から
名水と国蝶オオムラサキの里まつり'95

七/29-30,エスペラント館のある山梨県長坂町で開かれたオオムラサキの里祭では、長坂町総合スポーツセンターを会場とする「交流広場」にエスペラントの出店を設け、エスペラントの広報資料を配布、関連書籍、海外切手の販売等を行った。

29日までに、はるばる京都から販売用の切手を持って駆けつけでくださった光川澄子さん、八木幹子さんほか、出店の運営にあたる会員が八ヶ岳館に集合、昼飯もそこそこに会場に出向き、余裕を持って開会前の準備を完了した。開会早々、苅部利一さんほか横浜エスペラント会の方々が、夕刻には名古屋の永瀬義勝らも来場、50を数える多彩な出店の中で、エスペラントのテントにも子供たちが足を止め,食い入るように切手を見つめる姿が印象に残った。

翌30日は、前日テントを訪ねてくれた子供達も含め,こちらが休んでいられぬほど多くの来店者があり切手に関心を示すと同時に、エスペラントについても耳を傾けてくれる様子、うち何人もの人が、近日のエスペラント館行事に参加したいと話してくれた。好奇心いっぱいで、何事にもためらわず興味を示すのが子ともたちの常であるとしても、彼等がテントを後にする際のあいさつが「ダンコン」「ヂスレヴィード」であったことに喜びを感じた。

炎暑の中、エスペラント館の寄贈者森田洋子さんが訪れ冷たいジュースを差し入れてくださった。山梨エスペラント会の荻原克巳さん、下条高子さん、横山裕子さんとご父君のほか、長坂町商工会議所の永田会長、星野差との坂本理事長もあいさつに見えられた。

終了後、エスペラント館に戻ってほっとしていたところ、突然、YBSワイドショーの元プロデューサー石井和子さんほか1名の報道関係者の訪問を受け、高瀬好子さんが対応、館を見学してもらったが、エスペラントはその活動をもっと宣伝すべきであるという感想とともに、そのための協力について検討したいという意向を示された。

今回の里祭参加は、地元でのエスペラントの認識ならびに人々との交流の点で相当の成果を収めたと考えられる。今後も参加していきたいと思う。

白井靖朗


八ヶ岳エスペラント館出店のコーナーは。地元の里まつり担当者と調整の結果、エスペラントの広報資料配布とエスペラント関係の図書販売、京都エスペラント会提供の外国切手など、エスペラントの宣伝のみにまとめた。2日間の売上は、図書約1万円、切手約1万2000円。

単なるパフォーマンスに終わるかもしれないが、何もしないよりは…と、思い切って今回の企画を持ちかけてみたところ、期日を過ぎていたにもかかわらず、長坂町のご好意で出店がなったこと、思いがけないさまざまな出会いがあったことなど、大成功だったと思っている。休暇中家族連れで来ていた報道関係者、故・中山大樹山梨大学教授の同僚でしたと声をかけてくださった方、「婦人の友」で読みましたよと励ましてくださったかたなどもおられました。

高瀬好子




(財)日本エスペラント学会八ヶ岳エスペラント館
開館1周年記念行事のご案内

 八ヶ岳南麓のこう元の町、山梨県長坂町、そのカラマツ林の中にF.L.ライトの建築を思わせる美しいたたずまいを見せる八ヶ岳エスペラント館が開館してから、はやくも一年をむかえようとしています。
 すでにご存知のとおり、同館は、森田茂介氏の遺志をくみ、洋子夫人から日本エスペラント学会に寄贈されたものです。開館以来、同館の運営は学会の同館うんえい委員会を中心に、多くのエスペランチストだちの献身的な努力によって担われてきました。このような施設がこのようなかたちで運営されていることは、日本のエスペラント運動の歴史において画期的なできごとです。同館は、いわばフランスのグレジヨンにも比すべき集いの場となり、これまで同館に宿泊され、あるいは訪問された方は、延べ約1700人にも達します。
 同館が開館1周年を迎えるにあたり、これを記念し、されに今後の施設運営のありかたを考えるため、実行委員会を設け、多彩な記念行事を企画いたしました。八ヶ岳エスペラント館においては、記念式典およびパーティーのほか、中国のエスペランチスト李士俊氏をお迎えして公開講演会を行う予定です。李士俊氏は、森田夫人の友人であり、しかも高名なエスペラント詩人、翻訳家でもあります。開館一周年を記念する催しのゲストとしてまことにふさわしい人物です。
 つきましては、黄葉の美しい季節に、ぜひ八ヶ岳エスペラント館にお運びいただきますようご案内申し上げる次第です。
 同館を、地域に根づいたものとすると同時に、日本のみならず世界のエスペランチストの共同財産として、世界に向かって開かれたものとするよう、これからもつとめてまいりたいと存じます。幸いにしてひとりでも多くの方が今回の記念行事の趣旨にご賛同くださり、ご援助をたまわりますよう、重ねてお願い申し上げます。

1995年10月1日

財団法人日本エスペラント学会八ヶ岳エスペラント館
開館1周年記念行事実行委員会 会長
ヤマサキ セイコー
財団法人日本エスペラント学会

八ヶ岳エスペラント館の活動と記念行事を支援します

相川節子、阿井みどり、イカイ ヨシカズ、伊藤照子、伊藤利彦、石井義明、大原喬、阪直、サカモト ジョージ、佐藤守男、鈴木善彦、高瀬好子、竹内義一、竹内登美子、田熊健二、田平正子、豊田元樹、永瀬義勝、中道民広、中山欣司、西尾勉、西川豊蔵、丹羽正久、浜田由美子、平井征夫、藤本達生、堀田裕彦、森田明、山口真一、山本修。
(敬称略、アイウエオ順)

記念行事のあらまし

1.李士俊氏の招聘

 同氏は、11月初旬来日され、三週間滞在される予定です。この間、日本エスペラント学会をはじめとして大阪、名古屋などで講演される予定です。
 なお、現在ビザの関係で最終的な日程を調整中ですが、日本エスペラント大会(10月13〜15日)までには確定の見込みです。

2.記念式典および公開講演会の開催

 時あたかも文化の日である11月3日(金)に、八ヶ岳エスペラント館において記念式典およびパーティーを行います。あわせて、李士俊氏を講師にお招きし、古くから日本人に愛されている漢詩をテーマとして公開講演会を開催いたします。なお、この講演会は、地域社会との交流の一環として公開で行います。

3.八ヶ岳エスペラント館ガイドの刊行

 八ヶ岳エスペラント館をいっそう多くの方に知ってもらい、利用していただくためのガイドを製作、刊行します。おもな内容としては、同館が開館するまでの沿革や、館内の案内、利用の仕方、ライセンスの取得方法、交通手段などの記述に加え、美術館や名所旧跡など周辺のみどころについての情報も満載する予定です。来春の刊行を目指します。

李士俊氏のプロフィール

 1920年生まれ。1940年にエスペラントを学ぶ。ペンネームは Laulun。
 エスペラントアカデミー会員、中国エスペラント連盟委員。"El Popola Cxinio" 誌副編集長なども務めた。
 著書に「世界語自修課本」などの学習書がある。「世界語漢語辞典」などの共著者。中国文学のエスペラントへの翻訳に、巴金「寒夜」「春天里的秋天」、郭沫若「屈原」(戯曲)、蒲松齢「聊斉志異」など多数がある。
 1982年8月、第69回日本エスペラント大会(鎌倉)に参加。

寄付のお願い

 八ヶ岳エスペラント館は、大都市の雑踏を離れ、まぐまれた自然のなかに立地しています。そうした条件を生かし、今後もここを拠点に、地域に根づき、しかも世界に向かって開かれたユニークな活動を展開してまいりたいと存じます。そこで、これまでの活動を振り返り、さらに、今後の可能性をさぐるための試みとして、一周年記念行事を位置づけていきたいと考えております。それにはすくなからぬ経費を要します。そこで、下記のとおり皆様のご支援をお願い申し上げる次第です。

1.口数

 寄付は1口2,500円とさせていただきます。なお、2口以上ご寄付いただいた方には、上記のガイドを贈呈いたします。

 以下 略




八ヶ岳エスペラント館の委周年記念行事終わる
(会誌 Movado 掲載テキスト)

 八ヶ岳エスペラント館の開館一周年記念行事は、11月3日文化の日に無事終わった。当日は好天にめぐまれ、折しも全山紅葉の八ヶ岳を背景に、エスペランチストや地元の方々50人の出席のもと、13時30分開会、日本エスペラント学会理事長のあいさつ、エスペラント館の一年の報告があったあと、地元の町で文化事業や福祉事業にたずさわったいられる来賓から、本当に心のこもったお祝いの言葉をいただき、出席のエスペランチストも皆感動の面持ちだった。
 そのあとに、式典のメインテーマが続いた。この一周年の記念行事(および、その後の各地での交流)のために北京からお招きした李士俊氏の記念講演「日本人に愛されている漢詩とエスペラント」である。氏の講演はよく準備されたもので、中国の古典文学にたいする氏の造詣のふかさがうかがわれるものだったが、ないよりも、時間を一時間も延長してのエネルギッシュな話し振りは、おどろきだった。とくに、漢詩の話が、戦争の悲惨さに触れた個所で、顔を真っ赤にして、息をつまらせ、会場を一瞬しんとさせた。。
 開館の利用者は、今年の4月からかぞえても 約400人に達した。この間、エスペランチストや地元のみなさんのご協力、また一周年の記念行事を成功させつために募金など、さまざまな面でご協力くださったみなさん、ありがとう、ありがとう。
(栗田)

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