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ことばの質問箱 R.O. 2017年7月号

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Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編 Lingva Demandokesto ことばの質問箱 横山裕之編

◆質問 自動詞の目的語?
『エスペラント日本語辞典』の「付録・文の構成」(p.1312)に「(4) 主語+自動詞+間接目的語」とあります。自動詞が、間接ではあるが、目的語をとるのでしょうか。どのように理解すればよいのでしょうか。また、ここに載っている「al mia patro」のような〔前置詞+名詞〕を間接目的語というのでしょうか。これは「前置詞句」ではないのでしょうか。

●回答 自動詞は間接目的語をとることがあります。間接目的語は「前置詞+名詞」という前置詞句の形式になることが多くあります。
 比較のために、まず他動詞文を見てみましょう。La kato kaptis muson. という文では、特徴的な語尾 -n がついている対格の名詞musonが他動詞kaptisの直接目的語として働いています。
 他動詞の直接目的語は、多くの場合に文中に実際に現れますし(省略されるにしても、おおむね想定はされている)、対応する受け身文では主語になる(Muso estis kaptita de la kato.)といった特性をもつ、エスペラントの言葉のしくみの中でも際立っている要素です。直接目的語のことを単に目的語と言うこともあります。
 さて、Ĝi apartenas al mia patro. を見ると、Ĝi apartenas.だけでは文が完結していず、al mia patro が続くことが文として成り立つために必要であると感じられます。また、動詞dankiを他動詞として使ったMi dankas vin.と同じ意味で、Mi dankas al vi.と言うこともあります。後者の場合、dankiは自動詞として使われていますが、ここでのal viは他動詞文での直接目的語vinと同様の関係にあるとみることができます。
 このように動詞を補足する要素が間接目的語と呼ばれます。上の例の間接目的語は、形式としては「前置詞+名詞」であり、前置詞句になっています。直接目的語が形式としては「対格の名詞」であることと平行します。なお、動詞の不定形が間接目的語となっていることもあります。
 ついでにここで確認したいのは、文法はある言語の仕組みを分析し記述しようとするものですが、説明のしかたや用いる用語が文法家によって異なることがあるということです。例えば、エスペラントで書かれた文法書として著名な Plena Analiza Gramatiko (PAG)とPlena Manlibro de Esperanta Gramatiko (PMEG)とではまったく異なる文法用語を使っています。
 前者では間接目的語という用語を幅広く用いていますが、後者ではあまり使いたくないようです。
 対応する受け身文では主語になるという直接目的語の特性に匹敵するような際立った特性は、間接目的語にはありません。時や場所を表わすのに使われる一般的な前置詞句と見分けにくいときもあります。
 ですから、間接目的語という用語で指す範囲が文法家により異なるかもしれません。立場によっては、間接目的語という用語をまったく用いないこともありえます。
 『エスペラント日本語辞典』の付録は文法そのものを体系的に深く扱った本ではないので、手短な説明にとどめた部分が多くなっています。該当箇所ではPAGの説明を準用しています。(回答:後藤 斉氏)


【La Revuo Orienta誌 2017年7月号より】

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